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【会期】 2018年5月26日~30日 9時~16時
野山に分け入り、自ら採ってきた土や石を使ってやきものをつくり出す。
日本各地で、そんな取り組みを続けてきた陶芸家たち8人が、京都・妙満寺にて一堂に会し陶展(土友8人展)を開催いたします。
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こんにちは。参加作家の四狭間かなたです。
本展を開催するに至った経緯を僕なりに記してみたいと思います。
現代において陶芸作家としてやきものを製作する場合、原料その他は専門の原料屋さんから購入するというのが一般的です。
扱われている原料は、成形・焼成の段階でトラブルなど起きぬようそれぞれの製造元で徹底的に吟味・調整され販売されているものです。
陶芸家としてこうした環境が整っていることはとても便利でありがたいことですし、ほとんどの作家たちはその恩恵にあずかって日々制作にいそしんでいることと思います。
20年ほど前になりますが、僕自身がやきものの勉強を始めたころも全くそうでした。
土や釉薬の原料は調整されたものを購入するというのが当たり前でした。
ところが当時の僕にはどうしても浮かんできてしまう疑問がありました。
そもそもやきものの原料(土や釉薬)はどのような形で自然界に存在しているのか?それらの生の原料に触れるためにはどこに行って、さらにどのようにそれを扱ってやればいいのか?
そんなふうに思ってしまうのにははっきりとした理由がありました。
現代のやきものよりも、昔のはるかに不便だった頃に作られたやきものの方が圧倒的に魅力的に思えたんです。
特に名品でも何でもない普段使いの湯呑みのようなものでも、温もりを持ってこちらにぴったり寄り添ってくるかのような存在感。当時の人はどうやってこの器を作ったんだろう?
そんな思いを胸に勉強していた自分の目指す方向は明らかでした。
その土地の自然に体当たりして自らの手で原料を調達して、やきものを作っていきたい。
先人がやっていたように取り組んでいきたい。彼らが味わった思いをともにしたい。
「間接」ではなく「直接」自然と向き合う仕事をしたい。
意気込みだけが先走り、右も左も分からないままに始めたそうした取り組みは、現代一般のやりかたからすれば、圧倒的少数派・異端でした。
少なからぬ同業者その他の方々から時には呆れられ、時には諌(いさ)められました(笑)
でもそういった声はあまり気になりませんでした。理由は二つあったと思います。
一つはこの取り組み方が、病み付きになるほどワクワクして楽しかったということ。
もう一つは、同じような人がきっとどこかにいて、いつか彼らと通じ合うことができるはずだという思い。
そして・・・・
それが、ここ数年現実のものとなってきました。おもにSNSなどを介して同じ志を持つ作り手たち(やっぱりいたわけです!)との交流が始まりました。
今回のグループ展は、僕も含めそうしたコアな取り組みをただひたすら続けてきた陶芸作家が、初めて集い、互いがたどり着いた成果をひとつ場所で発表するというとてつもなく感慨深い展示会なのです。
たいへんな歴史を持ち荘厳・幽玄さをたたえる会場を提供していただけることとなった妙満寺のみなさんに、そして参加作家のみなさんのもとに実際に足を運んで本展開催のため一人尽力してくれた参加作家・和田直樹さんにはいくら感謝してもしきれません。
さぁ、気合い入れていこう!